1 通釈

白露に風の吹きしく秋の野は 貫き止めぬ玉ぞ散りける

→草木の葉に置いた白露に風がしきりに吹き付ける秋の野は、まるで糸を通して止めていない真珠が散っているかのようですね

2 生没不明の謎の歌人

作者の文屋朝康(ふんやのあさやす)は生没不明の謎多き有名歌人と言われています。

六歌仙の一人である文屋康秀(ふんやのやすひで)の子どもと言われていますが、確かなものではありません。

彼も、身分が低かったことで、記録が残っていないのでしょう。

このうたは、後撰集の枕詞(まくらことば・うたの初めに添えられた説明文)によると、醍醐天皇の時代に応召歌(おうしょうか・実際にその地で詠んだものではなく、イメージで詠んだうた)とされています。

そして宇多天皇の時代にも同じうたを奉納しているという記録があるので、よほどの傑作だったということなのでしょう。

私のイメージでは、それを超える傑作に巡り合えなかった、知恵をしぼって同じうたを贈ってしまった、という感じです。

パールのネックレスを作っているときに、うっかり床に落としてしまって、パールがころころと転がってしまった、そんなイメージでとらえました。

3 二字決まり 白露/つら

「し」から始まるうたで、白露はこのうただけです。二字決まりになります。

4 覚え方

つらら しらつゆ