google-site-verification=YWimY3RajkEe-OJ-aBK4c9TSS_sUN9gowg47A8YbKRk

2020年 11月 の投稿一覧

誰をかも/松も 藤原興風

1 通釈

誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに

→誰を友にしたらよいのでしょう。高砂の松でさえ昔からの友人ということではないのです。

2 琴の使い手だった

作者の藤原興風(ふじわらのおきかぜ)は生没年がはっきりわかっていません。

9世紀末~10世紀に活躍した三十六歌仙の一人です。

紀貫之(きのつらゆき)と並ぶ『古今集』の歌人です。

興風は管弦、とくに琴の名手であったそうで、私のイメージとしてはシンガーソングライター。歌も歌えば、音楽も作る、感受性の優れた人だったんですね。

このうたは、年をとっていく孤独感の強調された歌だといわれています。

松と言えば、高砂の松のことを思い出します。みなさんも見たことがあるかもしれません。長寿と夫婦愛を表現した絵で、老夫婦が仲良さそうに並んでいる、その後ろに松が生えている、あの絵です。

これをイメージした後にこのうたを詠んでみると、なんとも一人で生きながらえている自分のみじめさや、寂しさがじわじわ来ます。

きっと、定家もこの気持ちに共感していたのではないでしょうか。

3 二字決まり

「た」から始まるうたで、「誰」はこのうただけです。

4 覚え方

まつもとは だれ?

ひさかたの/しづ 紀友則

1 通釈

ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ

→日の光がのどかな春の日に、どうして落ち着きがなく桜の花はあわただしく散っているのでしょう。

2 紀貫之(きのつらゆき)のいとこ

作者の紀友則(きのとものり)は紀貫之のいとことして知られています。といっても、まずは紀貫之がどんな人物かということですが、最初の勅撰集(天皇の命でつくられる和歌集)の古今和歌集の編さんに関わった、和歌の名手だったということ、三十六歌仙の一人であったということから、とにかく和歌といえば紀貫之というくらいすごい人、ということでしょう。

そのすごい人のいとこ。

お互いにどう思っていたかはわかりませんが、私だったら、すごい人にはまかれろ、という感じになるでしょうね。

さて、古今和歌集が出てきましたが、この編さんに友則も関わっておりました。

完成を待たずに友則は亡くなってしまいましたが、貫之とは違った優美で格調高いうたを詠んだそうです。

この、ひさかたの~は、その優美な感じを定家がひっぱり出したうたといえます。

3 二字決まり

「ひ」から始まるうたで、「ひさ」はこのうただけです。

4 覚え方

しづこ ひさかたぶり

山川に/流れ 春道列樹

1 通釈

山川に風のかけたる柵は流れもあへぬ紅葉なりけり

→山の川に風がかけ渡した柵(しがらみ)がありますが、それは流れようとして流れることのできない紅葉だったのですね。

2 きらりと光る紅葉のうた

作者の春道列樹(はるみちのつらき)は生没年がはっきりわかっていません。

勅撰集(ちょくせんしゅう、天皇の命によってつくられた歌集)に選ばれたうたも、5首と少ないなか、定家がこのうたを選んだのにはよほどの理由があったのではないでしょうか。

わたしには、紅葉がひらひら舞い落ちる、山道、そのそばを流れる細い川がうかんできます。

柵とは、水の流れをせきとめる杭などをいいます。

紅葉がその柵のように細い川に降り積もって、流れを止めようとしている。それは時間の流れのようで、時間も止めることはできないもので。

一瞬の美しさをとどめることはできない。その一瞬を写真のように切り取ったうた。

それがこのうたなのだと思います。

3 三字決まり

「山」から始まるうたはほかに28番の「山里」があります。

「やまが」「やまさ」で三字決まりになります。

4 覚え方

やまがながれ